肛門腺絞りについて

当店では、グルーミングの際に定期的な肛門腺絞りは必要ない、と考えています🐕

数年前~十数年前の考え方では、毎月のトリミングで肛門腺を絞らないと肛門腺(正しくは肛門嚢)が破裂する、と言われていました。

現在もネットではそう書いてある記事がありますが、そんなことはありません😅

この話にはそもそも明確なエビデンスはありません。

毎月トリミングに行かない、一度も行ったことがない、肛門腺を絞ったことがない、というわんちゃんも沢山います。私の愛犬も、試しに1~2回絞ったことはありますが、それ以外は自分で処理しています。

獣医さんの中でも意見が割れるところではありますが、最近の熱心な獣医さんでは定期的な肛門腺絞りは必要ない、とおっしゃる方が多いかな、というのが私の印象です。

肛門嚢は、肛門の左右斜め下にある2つの袋状の器官ですが、中に分泌物が溜まるのは正常な状態で、排便時や興奮時、力んだ時などに排出します。これが破裂する状況というのは、

①出口がふさがって分泌物を排出することができない。

②肥満、老化、筋力低下などにより自力で排出できない。

③肛門嚢の中で炎症を起こして膿が溜まる→皮膚が壊死して膿が排出される。

この3つが多いです。

出口がふさがった、もしくは炎症をおこして膿んでいる肛門嚢を圧迫して出す、というのはとても危険で、本人にとっても苦痛を伴います。そもそも自分で処理できることに手を貸すべきではなく、人の手が必要な状態の肛門嚢は、先天的であれ後天的であれ、異常がある状態です。

愛犬の健康チェックとして定期的に確認することは必要ですので、当店では基本的にはチェックのみ。異常があれば飼い主様に報告して、必要ならば病院に連れて行っていただくことにしています。飼い主様自身にも、肛門嚢の位置を確認して触っていただき、正常時はどんな様子なのかを知っていただけると幸いです。

何卒、ご理解の程よろしくお願いいたします。

Dog salon Haru

さいたま市見沼区大和田にある、自宅トリミングサロン。 動物病院で10年の勤務経験のある動物看護師トリマーです。 シニアさん、持病のある子もご相談ください。